ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
一時間置きに小休憩をはさみ、各チームのプレゼンテーションが続いていた。
最有力候補の久遠チームは大取りで、最後のプレゼン。
まだまだ順番は回ってこない。
開始から4時間が経っていた。
ビュッフェの料理を摘みながら、ビールの試飲を繰り返す。
さすがに全てのビールは飲めないので、後半は気になるチームのビールだけ味見していたが、
それでも酔いが回ってきた。
三国主任が椅子を持ってきてくれて、
会場の端で座りながら、ステージ上をボーッと見ていた。
揺れる視界に映るのは、見たことのある人。
若い男性社員がマイクに向け、
熱弁を振るっている。
「――以上がこのビールの特徴です。
羽田さんのビールにかけた30年の情熱が、この一杯にこめられています!
どうか僕の尊敬する羽田さんに、審査員の皆様の清き一票をお願い致します!!」