ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
昨日はミカコさんをテーブルの真ん中に下ろし、
両端でニンジン持った私と、ヒマワリの種を持った久遠さんがスタンバイ。
同時にミカコさんを呼んで、どっちに来るかの勝負をして盛り上がった。
毎日が楽しくて、本当に幸せだ。
話しながら頬を緩ませニヤついていると、
由香の手からリップクリームが滑り落ち、洗面台に転がった。
振り返った由香に、肩を掴まれ揺すぶられた。
「それだけ?
ねぇ本当に、それだけなの?」
「え?」
質問の意味が分からず、首を傾げる。
そんな私を見て、由香の顔がムンクの叫びのようになっていた。
「落ち着け」と由香は自分に言い聞かせ、それから質問を重ねる。
「念のために確認させてもらうけど、
プレゼンの時、久遠さんとキスしたと言ってたよね?
その後、家で甘いキスは……?」
「ないよ」
「一緒に寝たりとか……」
「ある訳ないでしょ」
「この……バカ女がーーっ!!
何の進展もないのに、幸せオーラ出してんじゃないわよ!」