ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
怖い顔した由香に向け、ボソボソ言い訳していた。
私のビールジョッキは泡が消えただけで、量は少しも減っていない。
一方由香は、
「お兄さんお代わり!」
と、もう二杯目。
私への怒りのせいか、いつもよりペースが速いみたい。
ビールをグビグビ飲み、鶏の軟骨揚げをコリコリかじり、
由香は更に私を責める。
「鴨が葱背負ってお待ちなのに、夏美はなんで逃げ腰なのよ。
好きなのに付き合いたくないって、意味分かんない」
「それは私のポリシーが……。
やっぱり将来結婚してくれる人じゃないと……」
「それ! その変なポリシー捨てなさい!
ついでに処女も、さっさと捨ててこい!」
酔っ払って大きな声で暴露してしまう由香に、
隣のテーブルの大学生風男子3人組が反応していた。
ニヤニヤと興味本位な視線を向けられ、
慌てて由香の口に、おでんの玉子を突っ込んだ。