ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
堂浦さんが話している最中に、テーブルに置いてある、醤油差しを手に取った。
女性としての色気や魅力が欠如していると、失礼発言をかます男のコーヒーに、
醤油をドバドバ入れてやった。
「わっ! 夏美ちゃん〜
醤油は酷いよ〜。飲めないじゃん」
「酷いのは堂浦さんの方です!
盗み聞きした上に難癖つけて、
私の新たな恋路を邪魔する気ですか?」
今までの分を引っくるめて、堂浦さんには腹を立てていた。
この男は、いつもいつも余計なことばかり言ってくる。
つい語気がきつくなってしまい、
「コラ、このくらいで怒らないの」
由香に注意されてしまった。
私がどんなに怒っても、どうせ堂浦さんは堪えないと思うけど、
大人げない態度を取ってしまったと、一応反省した。
「言い過ぎました」と謝って、
駄目にしたコーヒー代350円を財布から出し、彼の前に置いた。
その手は掴まれ、350円はすぐに手の平に戻された。