ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


堂浦さんが話している最中に、テーブルに置いてある、醤油差しを手に取った。



女性としての色気や魅力が欠如していると、失礼発言をかます男のコーヒーに、

醤油をドバドバ入れてやった。




「わっ! 夏美ちゃん〜

醤油は酷いよ〜。飲めないじゃん」



「酷いのは堂浦さんの方です!

盗み聞きした上に難癖つけて、
私の新たな恋路を邪魔する気ですか?」




今までの分を引っくるめて、堂浦さんには腹を立てていた。



この男は、いつもいつも余計なことばかり言ってくる。



つい語気がきつくなってしまい、


「コラ、このくらいで怒らないの」


由香に注意されてしまった。



私がどんなに怒っても、どうせ堂浦さんは堪えないと思うけど、

大人げない態度を取ってしまったと、一応反省した。



「言い過ぎました」と謝って、

駄目にしたコーヒー代350円を財布から出し、彼の前に置いた。



その手は掴まれ、350円はすぐに手の平に戻された。



< 268 / 453 >

この作品をシェア

pagetop