ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
片岡さんが予約してくれたレストランは、有名なフレンチのお店だった。
格式高いお店に入ったことがないので、しりごみしてしまう。
コートの下は、普通のワンピースを着ている私。
ドレスコードに引っ掛かり入店を断られるかと焦ったが、大丈夫だった。
好きな物を頼んでいいと言われ、
メニューを見せられた。
フランス料理初心者の私には、何を頼んでいいのかサッパリ分からない。
メニューを見て、ゆっくり首を横に傾けてしまうと、
向かいに座る片岡さんが、クスリと笑った。
「こういう店は初めてですか?」
「は、はい。すみません。
外食といえば、友達と安居酒屋に行くくらいなので……」
見栄を張るつもりはないので、
正直に答えた。
安居酒屋というのが正直過ぎたのか、彼はまた笑う。
「田丸さんに会えて、本当に良かった。
僕は飾らないナチュラルな女性を求めていました。
あなたは僕の理想にピッタリです。
実に可愛い人だ」