ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
焦りと恐怖が増していく中、ドアが開けられた音がして、
薄暗い部屋に光の帯が差し込んだ。
「あ、起きたんだ」
その声に、更に恐怖と緊張が増した。
パッと部屋の照明がつけられ、
眩しさに目を細めた。
入ってきたのは、片岡さん。
手に缶コーヒーと財布を持っているから、
コーヒーを買いにロビーに下りて、戻ってきたというところか……。
怯えるだけで、何も言葉が出てこない。
そんな私を見て、彼は鼻で笑った。
「分かっていると思うけど、あんたは俺の言うこと聞くしかない状況だから」
ベッドの足元を通り過ぎ、
彼は窓際のテーブルセットへ。
布張り椅子にゆったり腰掛け、
缶コーヒーのプルトップを開けている。