ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
片岡改め黒川も、かなり驚いていた。
言い当てられて息を飲み、一重の瞳を大きく見開いている。
でも驚きの持続時間は数秒と持たずに、黒川はクツクツと笑い出した。
「何笑ってんの〜?
追い詰められてイカレちったの?」
ベッドの私の隣に座る堂浦さんが、そう言って黒川をからかった。
人数的にこっちが有利な状況。
かつ久遠さんは、何もかもお見通しといった顔をしている。
勝者は明らかに私達なのに、黒川はまだ不敵に笑っていた。
「俺について調べたんなら、話が早いよ。
どうせ、あんたの開発したBX-091を狙ってることも分かってんだろ?」
「ああ。
社内PCに不正アクセスの痕跡が残っていたのは、最近だからな。
自分では盗めず、夏美に盗ませようとしたのだろう?」
「ご名答!
でもこの女、頑固で困ってたんだよねー。
裸の画像をばらまくと言ってもダメ。
犯すぞと言っても、絶対裏切らないの一点張り。
久遠自らお出ましのこの状況は、よく考えたらこっちの利益。
女と交渉できないなら、あんたと取引させてもらう」