ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


片岡改め黒川も、かなり驚いていた。



言い当てられて息を飲み、一重の瞳を大きく見開いている。



でも驚きの持続時間は数秒と持たずに、黒川はクツクツと笑い出した。




「何笑ってんの〜?

追い詰められてイカレちったの?」




ベッドの私の隣に座る堂浦さんが、そう言って黒川をからかった。



人数的にこっちが有利な状況。

かつ久遠さんは、何もかもお見通しといった顔をしている。



勝者は明らかに私達なのに、黒川はまだ不敵に笑っていた。




「俺について調べたんなら、話が早いよ。

どうせ、あんたの開発したBX-091を狙ってることも分かってんだろ?」



「ああ。

社内PCに不正アクセスの痕跡が残っていたのは、最近だからな。

自分では盗めず、夏美に盗ませようとしたのだろう?」



「ご名答!

でもこの女、頑固で困ってたんだよねー。


裸の画像をばらまくと言ってもダメ。

犯すぞと言っても、絶対裏切らないの一点張り。


久遠自らお出ましのこの状況は、よく考えたらこっちの利益。

女と交渉できないなら、あんたと取引させてもらう」




< 312 / 453 >

この作品をシェア

pagetop