ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


二千円を握りしめ、違うのに!と心で叫んでいた。



言いたい言葉はドライアイではなく、

『私を愛していますか?』

この一文。



今度こそと再び決意を固めて、
久遠さんを呼んだ。




「久遠さん、まだ話は終わってないです!」




嫌な顔せず、また振り向いてくれた久遠さん。

そんな彼に思いをぶつける。




「私をアイ、アイ、アイ……

アイスクリームが食べたいです!」




どうして聞けないのだろう……。


ヘタレな自分が嫌になる。



アイスクリームが食べたいと力一杯言ってしまった私に、

久遠さんは更に二千円を追加してくれた。



四千円を握りしめ、心の中で自問自答を始める。



「愛していますか?」という質問は、短い割に言い難い。



私にはハードルが高いのかも知れない。



生まれも育ちも日本人の私と、アイラブユー文化の欧米人を一緒に考えてはいけないのだ。



“愛してる"が駄目なら“好き"という単語はどうだろう?



『私を好きですか?』

それだ!

それなら私にも口にできるはず!



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