ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
一気にまくし立て、ハアハアと息を乱した。
「あ……。
由香、ごめん……」
言ってしまってから、すぐに後悔した。
いつも相談に乗ってくれる優しい同僚に、ひどいことを言ってしまったと……。
由香は呆れた目を向けていた。
小さな溜息をついて、私に言った。
「私も一応女だけど、夏美にじゃなく、久遠さんに同情しちゃう。
付き合った女が、悪かったって感じ。
別れてあげれば?
弱虫な夏美が彼のために出来ることって、もうそれしか残されてないでしょ?
夏美には天才じゃなくて、もっと平凡な男が似合うと思う。
その方があんたも、平和で穏やかな恋愛ができていいんじゃない?」
由香の言葉の一つ一つが、グッサリ胸に突き刺さった。
反論なんてできない。
全てその通りだから。
私のせいで夢を諦めなければならないなんて、久遠さんが可哀相だと自分でも思う。
私は久遠さんにとって、有害な女に違いない。