意地悪彼氏の攻略法。


「あたしとは、遊びだったんでしょ? 今日までの1年っていう期限付きのお飾りな彼女。

あたしが奏多の彼女になれて喜んでる姿見るのそんなに楽しかった?」


「なんで、それ……っ」


「偶然聞いちゃったの。奏多がクラスの子たちと話してるところ。

あたしは、ちゃんと奏多のことが好きで付き合ってたのに、そうじゃなかったんでしょ?

だって、あたしに好きって一度も言ってくれたことないもんね。恋人らしいことなんて何ひとつしてない。

あたしに何もしないのは、後から問題が起きると面倒だからでしょ。安心してよ、今日ここできっぱり別れるから」


あたしの話を呆然と聞いていた奏多は、またあたしの手を掴んだ。


「何よ、離してっ」


「黙って聞いてれば好き勝手なことばっか言いやがって。

オレのこと何も知らないくせに。ちょっと来いよ」


強い力で引っ張られて、無理矢理どこかに向かって歩かされる。


時折、抵抗してみても奏多の力に全然敵わなくて。


いつも女の子に囲まれて、自信がある奏多しか見たことなかったから、こんなに怒ってる顔は初めて見る。


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