意地悪彼氏の攻略法。
別れる気がないって、別れるつもりでここに連れてきたんじゃないの?
「期限付きだって言ったのは、環菜が告白してから付き合うの1年って意味で、その間に今まで言い寄ってきた女たちに話つけてたんだよ。
お前と付き合う前まで、結構遊んでたからそのツケが回ってきたっていうか。罵られるわ、ビンタされるわで散々だったけど、環菜とちゃんと付き合うためにはちゃんとしないとダメだって思った。
オレと付き合うことで、嫌がらせされたりするってわかりきってたから、お前を守る意味でも自分を反省する意味でもこの1年は必要だったんだ」
期限付きって、遊びとして付き合ってたからとか、そういう意味じゃなかったなんて。
「まさか環菜に聞かれてるなんて思ってなかったから、マジで焦った。
1年の間に環菜がオレのことをまだ好きでいてくれたら、1年後のクリスマスの今日にもう一度、オレからちゃんとお前に告白しようと思ってた。
去年、お前に好きだって言わなかったのは、ちゃんと自分なりにケジメをつけたかったから」
奏多がそんなことを考えていたなんて、まったく想像もしてなかったあたしは、さっきまで怒っていたはずなのに、何も言えずにただ奏多の話に耳を傾けていた。
「じゃあ、あたしとあんまり会わなかったのも」
「それは、お前が近くにいると触れたくなるから」
少し頬を赤くして、照れながら笑った奏多に胸がトクンと高鳴る。