意地悪彼氏の攻略法。
「なるべく我慢して、自分を戒めてたんだよ。
でも、結局オレはお前が嫌がらせされてたのを助けてやれなかった。ごめんな」
そんなの奏多のせいじゃないのに、どうして謝るのよ。
あたし、付き合うって決まった時からそんな覚悟とっくにしてたのに。
「今さら遅いよ、バ奏多」
「バカに名前かけるなんて、そんなこと言って許されるのはお前くらいなもんだぞ?」
ニヤリと笑った奏多は、あたしの目尻にそっとキスをしてきた。
「ずっと、環菜に触れたかった」
耳元で囁かれて、体の芯から熱くなる。
きっとあたしは今、真っ赤になってるだろう。
「奏多は、今日のこと覚えてないんだと思ってた」
あたしが誘っても予定があるって断ったから、覚えてないって思ってたのに。
「忘れるわけねぇだろ。好きなヤツに告白されて、付き合い始めた日を。
クリスマスにプレゼントもなしじゃ、告白してもカッコつかねぇだろ。
だから、昨日までバイトしてて、さっき頼んでたプレゼント取りにいってきたんだよ。
環菜を驚かせたくて、頑張ったんだからな」