意地悪彼氏の攻略法。
また違う女子があたしに憐みの目を向けながらクスクス笑ってくる。
「おい、奏多。その言い方じゃ環菜ちゃんわかんねーだろ」
奏多の友達もフォローを入れてくれたみたいだけど、みんなしてあたしの反応見て楽しんでるだけじゃない。
期限付きのお飾りの彼女って知ってるんでしょ。
奏多のことで、奏多のためにもう泣かないって決めたのに、自分の思い通りにならないことに、思わず涙が溢れそうになる。
「あのな、環菜……」
「もう、いいよ」
「……環菜?」
心配するフリして、あたしのこと面白がってるんでしょ。
優しい態度見せたって、もう騙されない……。
「奏多のことなんて、もう好きじゃない」
それだけ何とか伝えると逃げるように、教室を飛び出した。
「環菜……!!」
背中から奏多の声が追いかけてきたけど、もう聞きたくなんかなかった。