君の世界

「そういえば幸雄の兄貴が昨日来た。」


幸雄が固まる。

「兄貴は何を…」


「家のこととか言ってたけど、僕には関係ないことだから…幸雄をよろしくって帰ったけど、幸雄がいないで困るのは僕の方だから…」


「飯島は引かないのか?」

探るように幸雄が見つめる。

「なんで引く必要があるんだ?幸雄は幸雄だろ?」


「…りがと…」

「は?気にしての?関係ないだろ?」


午後は体育だからひとり保健室に行く。

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