君の世界
僕は5限目のチャイムで何とか眠りから覚めた。
幸雄は既にいなくなった後だった。
机の上に汚い字で「食え!幸雄」と書いたメモと焼そばパンと紅茶が置いてあった。
「汚い字だ…」
せっかくなので、焼そばパンを頬張る。
ガラッ
養護教員が入って来た。
「飯島くん。体調は少しはよくなった?」
パンを食べながら返事をする。
「いえまだ…昼休みも休ませてもらってました。」
授業が始まったのに、パンを食べてる事のおとがめがないらしいけど、急いで最後の一口を飲み込む。
「慌てなくていいのよ?体の具合で食事が遅くなるのは仕方ないんだからね?」
「すみません。」
何時までも話をしていてもいけないので、自習を始める。
「難しそうな本ね…質問はしないでね?きっと答えられないから…」
「大丈夫ですよ…」
思わず呟き、本に集中する。