君の世界
退屈な授業が終わり、寮に帰る。
バタバタしていたせいで挨拶の遅れた寮長を探す。
「飯島も寮か?」
明らかに悪いですってオーラを発しながら話しかけてきたのは確か…
「あんたダレ?」
「同じクラスの藤堂幸雄だ。お前の後ろの席だったのに分からなかったか?」
僕は後ろに目はないから、後ろの席の人間まで一々気にはしない。
ましてや既に孤立していて授業も皆と違う僕は自分から心を閉ざしていた。
クラスにいる人間に興味なんか全くなかったから…