君の世界
「幸雄はどうしたい?」
僕の問掛けに黙ったまま動かない。
「なあ幸雄…」
ビクッ
肩に手をかけると脅えたように、体を震わす。
「そんなの分からない…でもあいつと一緒にお前がいるのは嫌だ…」
情けない顔をして幸雄が呟く。
「はぁ~幸雄は頭悪いから意味分からないよ?そんな顔もキショイから幸雄は笑ってろよ!」
やっと顔を上げて僕を見る。
「また弁当作るし…友達なんじゃなかったか?お前のデカイ兄貴にしめられるのは嫌だからな。」
「なんだよぉ~キショイとか言うなよ」
泣きそうな笑顔で幸雄が言った。
何故か僕は幸雄が元に戻った事に安心していた。