君の世界


「あら?久しぶりね。ちゃんと通院しなきゃダメよ。真中先生も心配してたよ?」

いつも親しく話しかけてきていたナースがホッとしたような困ったような顔で話しかけてきた。

僕は曖昧に あぁ~とか うぅ~とか答えて診察室に入る。

「飯島直人さん。お久しぶりですが、どうされました?」

真中の営業スマイルと話し方に不信感が募る。


「後で話しがあります。」

「先ずは診察をしよう。肺の音を聴かせてもらおうか…」

聴診器を胸にあてた途端に真中が難しい顔をする。


< 94 / 128 >

この作品をシェア

pagetop