201号室の、オオカミくん☆
4限目の家庭科室。
いつものパン屋は家庭科室が使えず今日は渡り廊下に長机を出して販売するらしく、リンダが準備してるのが見えた。
私の席からその光景がよく見える中。
私の班は案の定、皇汰と葵と私、そして女子2名。
私と葵は同じダサい白の給食エプロンで、何だかお揃いみたいで恥ずかしかった。
「ペアルックみたいだよね」
「ばっ! 馬鹿じゃない!?」
私が叫ぶと、皇汰はしかめ面。葵はにこにこと笑う。
ちょっと居心地が悪かった。
クッキー生地は既に先生が作っていて、私たちは形抜きをして、オーブンに入れるだけ。
そのオーブンが古くて三台しかなくて、8班あるからお昼休みまでもつれ込みそうだった。
「わー。葵くん形抜き使わないの?」
「薔薇の花びら一枚一枚リアルー!」