201号室の、オオカミくん☆


「弱ってる今、そばに居れるなら。寂しいならって。その気持ち利用しようかなーとか」

「…………」


最後のお皿を洗い終わると、水を落として皇汰に渡した。


「皇汰は認めたくなくて無理してるなら私は抱き締めたい。頑張るなら身を引く…かな?」


自分でもまだよく分からない。

皇汰を抱き締めたいと思う胸の痛みと。

葵を見ると切なくて胸が苦しくなるのは。

私は迷ってばかり。


寄り道しすぎて自分の気持ちもあっちへフラフラ。
こっちへふらふら。



「俺は多分」



水滴1つもなく綺麗に拭き上げる皇汰は、ボウルに映った自分を見ながら、静かに言う。



「ちょっと疲れてて」


カシャカシャと皿を集めると、皿を拭いた布巾を絞る。



「今は、肩を貸してほしいけど多分。
それだけじゃ満たされない」

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