倦怠期です!
1月15日の成人式。
今年は土曜日で、祝日を一日損した気分。
でもそれ以上に、私は体調が優れなくて・・・。
金曜も、フラフラしている私を、有澤さんが家まで送ってくれた。

「式、出んの」
「出ない。気分悪くて・・・」

袴でもレンタルして着ようかー、なんて思ってたけど、貧血みたいにフラフラするから、そういうの着れないし、そんな状態だから、式の最中に倒れるかもしれない。
というわけで、結局成人式を欠席した私は、自分ちで寝込んでいた。

翌日も寝込んでいた私に、有澤さんから電話がかかってきた。

「大丈夫か」
「うん・・・でも寝てる」
「そか。俺、そっち行こうか?」
「ううん!あの、移しちゃうとすごく責任感じるから」と言う私に、有澤さんはクスクス笑っている。

「いかにもおまえが言いそうなことだな」
「う・・・ごめん。明日普段通り会社に行けるよう、今日までしっかり休んどく」
「分かった。じゃあな。俺にはいつでも電話していいからな」
「・・・うん。ありがと」

微熱があってフラフラしてるけど、ホントは風邪じゃない・・はず。
だから有澤さんが来てくれても、移ることはない・・・はず。

でも、有澤さんには会いたくなかった・・・ううん。
どう有澤さんに言えばいいのか、どう言われるのか分からなくて・・・。
まだ確認もしてないし。

私はサイドテーブルに置いている検査薬を、チラッと見た。

これ・・つわりなの?
でも早くない?
って、そんなの未経験だから分かんないし!

それより、検査薬使うのが先・・・だよね。

意を決した私は、検査薬を持つと、フラフラしながらトイレへ行った。







「おはよ」
「・・・おはよぅ」
「体、どう?少しは良くなっ・・・」

有澤さんの顔を見たら、安心したのと怖い気持ちがごっちゃに交ざって。
私は不覚にも、朝から会社でポロポロと涙をこぼしてしまった。

そんな私を、有澤さんはさりげなく隠しながら、応接室へ連れて行ってくれた。

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