full of love~わが君の声、君の影~

秋になりあっという間に冬が近づき
気温の変化に身体がついていかない;

珍しく熱を出した
39.0超えなんて久しぶりだ。

「頭痛い・・」
「えー珍しいね?薬飲んで寝てれば~?じゃあいってきまーす!」
ええっそれだけ?薄情な娘だ・・;

病院に行くのも面倒で家にあった市販の風邪薬でごまかしていたが一向に下がらない。
頭と体のあちこちが痛くてあまりよく眠れず辛かった。

帰ってきて私が寝ているもんだからさすがの咲も驚いたらしく
「おかゆどうやって作るの?」
と聞いてきた。
説明するのも辛い状況なんですけど;



次の日になってもあまり変わらずだった。

そんな時に彼から電話があった。
すぐに出られず切れてしまったので
メールで『熱があるのでごめんね』とだけうった。

するとまた電話
電話に出られないからという意味でメールしたのにもう;

仕方がないので出ると
「大丈夫?行こうか?」
とこちらがもしもしも言わない内から言ってきた。
「うつるから来ないで」
自分にしては珍しくつい冷たく言ってしまった。

なのに彼は何かしたいと言い張る。
「行きたい」「来ないで」
のやりとり間にちょっと元気になっている自分に気がついた。

「じゃあ・・このまま何か話をしていてくれる?私が眠るまで。薬が効かなくてなかなか寝付けないの・・」
「わかった!何の話がいい?」
「何でも」
「そうだな・・そうそう!この間神がね・・」
「ホントに神くんと仲がいいね・・」
「今はね。昔はケンカばっかだったよ・・あいつ初めから俺のことバカにしてやがって・・って今もか」
「ははは」
「でもあいつさ実はああ見えてスゲー努力家でさあ・・」

思いがけず神島くんの意外な話が聞けた・・
咲に教えてあげようか?言わない方がいいのかな・・?


しばらくすると彼の声が遠くに聞こえ出し
いつの間にか眠りに落ちていた。


彼の声は耳に心地イイ



< 127 / 308 >

この作品をシェア

pagetop