full of love~わが君の声、君の影~

黙り込んだ俺に
彼女は自分のバックからさっと手帳を出すと
『今日はとりあえず帰るね』
と書いて見せた。

何をどう察してくれたのか
普通の女の子だったら烈火のごとく怒るところなのに。

「ごめんなさい!本当に・・後で必ず電話します」
と俺は上げられない自分の頭の上で手を合わせた。

彼女は黙って車を降りた。
そーっと俺は顔をあげると
彼女は歩道に寄せてあった自転車にまたがるところだった。

俺に笑顔で手を振る。
この場面で笑顔で手を振れる彼女はやっぱりスゴイ。


俺から「強がるな」と言っておいて1番強がらせてるの俺じゃん・・
でも今回はその強がりに救われた。

初めて会った時から彼女の声には惹かれていた。
聞けば聞くほどその声に惹かれ好きになった。
今まで聞いてきたどの声よりも愛しい。


だからといって

キスの最中に漏れた「ん」だけで
こんなに萌える?

その後の普通に話す声にすらゾクゾクしてやばかった。
あのまま続行してたら押し倒してたかも・・

さすがにそれはマズイよ・・な

< 142 / 308 >

この作品をシェア

pagetop