full of love~わが君の声、君の影~
黙り込んだ俺に
彼女は自分のバックからさっと手帳を出すと
『今日はとりあえず帰るね』
と書いて見せた。
何をどう察してくれたのか
普通の女の子だったら烈火のごとく怒るところなのに。
「ごめんなさい!本当に・・後で必ず電話します」
と俺は上げられない自分の頭の上で手を合わせた。
彼女は黙って車を降りた。
そーっと俺は顔をあげると
彼女は歩道に寄せてあった自転車にまたがるところだった。
俺に笑顔で手を振る。
この場面で笑顔で手を振れる彼女はやっぱりスゴイ。
俺から「強がるな」と言っておいて1番強がらせてるの俺じゃん・・
でも今回はその強がりに救われた。
初めて会った時から彼女の声には惹かれていた。
聞けば聞くほどその声に惹かれ好きになった。
今まで聞いてきたどの声よりも愛しい。
だからといって
キスの最中に漏れた「ん」だけで
こんなに萌える?
その後の普通に話す声にすらゾクゾクしてやばかった。
あのまま続行してたら押し倒してたかも・・
さすがにそれはマズイよ・・な