full of love~わが君の声、君の影~
その後、突然神島が来る
いつの間にか外は薄暗くなっていた
「行くってメールしたろ」
「そうか?悪い、件数ハンパなくて・・着信切ってた」
今朝眠っているのか泣いているのか自分でもわからない中
着信音で目覚め久しぶりに携帯を開いたら見たこともない数の着信数だった
さすがに電話をかけるのはためらわれるのかほとんどがメール
電話は両親と事務所の社長くらいか
この3日まるで気がつかなかった
葬儀の日の記憶を懸命にたどる
頭の奥でキ―ンと音が鳴りこめかみに痛みが走る
俺はちゃんと今日子さんとお別れできたのだろうか・・
また玄関の開く音がする
チャイムが鳴らなかったから買い物に出た咲ちゃんが帰ってきたのか
「神泊まってくだろ?」
このひと声をかけるタイミングに戸惑った