full of love~わが君の声、君の影~
気がつくとさくらと一緒に眠っていた
久しぶりにちゃんと眠った気がする
でもいつ泣いたのか顔は濡れていた
起き上がり顔を洗いリビングへ降りると真っ暗だった
神はまだ戻ってないらしい
時計を見ると12時半をまわっていた
2人が出て行ったのはまだ10時前だったはずだ
「よろしくやってるのか・・」
冷蔵庫からビールを取り出し
まだ鍋が置いたままのテーブルの席に座る
見る見るうちに缶が空になっていく
「ぐふっ」
空の胃袋にビールを入れたせいか
吐き気が襲ってくる
「かはぁ;」
出るのはわずかな水分だけ。
胃がギリッギリッと痛む。
『大丈夫?』優しい声がする
背中に当てられた手はいつも温かく
飲み過ぎた俺にいつも今日子さんはそうしてくれた
『もう~弱いクセにすぐ飲みすぎるんだから~』
今はその声も手もない
口をおさえ独り嗚咽する