full of love~わが君の声、君の影~

俺は彼女と並んで石段に腰かけなおした
平日の昼間
冬の割には陽ざしがあたたかい

「もう・・実家にいる時は祖父母の目があったからでしょうか・・けっこうおとなしかったんです。なのにこっち来て2人で暮らし始めた途端、色々と・・・何度も暴力をふるってはいけないと怒ってるんですけど・・;やっぱり男親じゃないとダメでしょうか・・」
「うちはその逆ですから、そう思ってしまう気持ちわかりますよ」
「あスミマセン」
「謝ることないですよ。うちのもあんなに手が早いなんて思いませんでしたよ。ケンカしたって聞いても初めは信じられなかったくらいですから。男親だけだとガサツに育っちゃうのかな~なんて」
「さくらちゃんパパに似て可愛いから、ほっとけないのかもしれません・・」

俺に似て可愛い!?
初めて言われたわけでもないのになんか嬉しい

「そうだ!田中さんのお父様はどんな感じでしたか?怖い方でしたか?」
田中さん!?
ああ俺のことか
「いやあ・・うちは全然。仕事でかまえない分甘い両親で。でもその分じーちゃんがスッゲー怖くて。ああ俺、じじばばっ子なんですよ。俺がじーちゃんの背中にライダーキックしたときには・・」
「仮面ライダーの?」
「そうそう!あれ?知ってるの?」
年代が違うし、女の子なのに?
「息子が大好きで」
「ああそういうこと。うちも小さい頃はよく一緒に見てましたよ~“電王”とか?」
「見てました!あれは傑作ですよね!」
「ですよね~!」
「女の子はプリキュアでしょ?」
「そう!映画に連れてってくれって言われて困ったぁ~;」
「そっか・・やっぱ照れます?」
「そりゃあ・・結局前作の映画のDVDでごまかしたけど」
「あははは、上手いですねそれ」

あれ?何か楽しい
思えばこんな風に子どもの話を誰かとこんなに話したことなんてなかったかも

あれ?もともと何の話だっけ・・?

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