full of love~わが君の声、君の影~
俺は石段に座り
彼女が泣き終わるのを黙って待った
「スミマセン・・なんか最近涙もろくって;歳のせいかしら」
「歳・・たってまだ若いでしょ」
「いえいえアラサ―ですから」
「10個下・・」
「え?」
「いや、アラフォーの俺からすれば十分若いですよ」
彼女は照れたようにふわっと笑う
「今日はご主人のお墓参りですか?」
「はい・・息子のことで相談に乗ってもらおうと思って・・」
『相談にのってあげたら?』
横から今日子さんが話しかけてくる
(はあ?)
俺は目で訴える
『だって死人に話したって何も答えてくれないじゃない』
(そりゃそうだけど・・)
『ほらほら』
俺の背中を何度もこずく
「え・・と・・俺で良かったら話だけでも聞きましょうか・・?」
「え?」
彼女の顔が一瞬のうちに輝いた・・ように見えた
「いいんですか?」
「ええ。俺も妻に報告してきたトコで・・もう帰るだけですから」
『ぷ。妻だって』
(うるさいよ)
俺は今日子さんに目で軽くにらむ
『はいはい』