full of love~わが君の声、君の影~

控室に戻ると神が
「おう!先にもらってるぞ!」
と彼女からもらったカップケーキをもう食ってやがる!他メンバーもスタッフもだ。
「何を勝手に!俺のは!俺のは誰も食ってないだろうな!」

「このでっかいのか?」
神がニヤニヤしながら1番大きなケーキを見せる。
ホッとして受け取ろうと手を伸ばすと
ひょいっとかわしてケーキを頭の上に掲げると顔を近づけてきて小声で
「どうだった?告ったか?」
「はあ?」

おれは神から力ずくでケーキを奪い取ると
できるだけ声のトーンを落として
「何を言ってんだよ、お礼を言ったまでだよ・・彼女とはそんなんじゃないって言っているだろう・・」
神が目を見開いてまた低く言う。
「そうなのか?運命の出会いじゃなかったのか?」
「よく顔みたら俺の好みじゃね―し、だいたい子持ちなんて守備範囲外だ」
「ふ~ん・・」
神はまだ何か言いたそうだが無視して
大口開けてケーキをいただいた。

甘さ控えめだった。

< 25 / 308 >

この作品をシェア

pagetop