full of love~わが君の声、君の影~
「ちょっとっ待てって」
俺もあわてて立ち上がり後を追いドアの前で彼女の肩をつかむ
「あの2人に少しでも相手を思う気持ちがあるならそんな封筒(もの)なくったって大丈夫だよっ」
彼女がキッと俺の顔を見る
「君のお母さんのことはよくわからないけど・・晴喜のことならよく知ってる。あいつはこのままで終わらせるような奴じゃない。あいつなら自分の力でなんとかする」
彼女の顔が少し和らいだ
「本当に?本当にそう思いますか?」
俺の目を真正面にとらえる
「ああ、信じろ」
彼女の肩から力が抜けていく
「あーでも絶対とはさすがの俺も言えないから念のためそれ預かっておくよ・・あまりにもまどろっこしかったら最後の切り札として使うよ」
「は、はい!」
彼女は手に握りしめていた封筒を俺に渡す
「ぐしゃぐしゃになっちゃった・・;」
「ははは、いいよ。確かにお預かりいたしました」
封筒を胸に当ておどけて頭をさげる
ふふふと彼女が笑う
良かった笑った