full of love~わが君の声、君の影~

旦那がいるなんて百も承知
愛をささやき合ってたわけじゃない
別に声が聞きたいくらい構わないじゃないか・・
その程度に思っていた。

でも
あの2人の並んだ姿を見せられ俺は動揺した。
悪いことがばれた子どもの様に2人の顔をまともに見れなくなっていた。
(何で俺が・・)

俺なんかいなくてもあんな立派な旦那さんがいれば大丈夫じゃん。
―――「大丈夫」の言葉の下で彼女がひとりで泣いていないか
なんて俺の勝手な憶測だ。
もしそうだとしても俺の出る幕じゃない。

もしそうだとしても・・

< 36 / 308 >

この作品をシェア

pagetop