full of love~わが君の声、君の影~
そこへ足音と声が近付いてきた。
あわてて立ち上がる俺たち。
神と咲ちゃんだった。
「おかえり」
今日子さんは何事もなかったように咲ちゃんに声をかける。
いつも通りの穏やかな声。
「渡せた?そう良かったね~じゃあ私たちはこれで。今日はありがとうございました」
そう言って会釈すると親子は帰って行った。。。
「なんかしたろ?お前」
神が俺をひじで小突く。
「なんもしてねえよ~」と表情を読まれないように控室に向かって先を歩く。
正直ドキッとした。
なんでわかる?
神はそれ以上聞いてこなかった。