黒色女子を個人授業
「ごめん、待った?」

そう言って彼は私の元へやってきた。

「いえ、来たばかりです」

私はまだ恥ずかしくて目を合わせられない。


「……どうしたの?」

うつむく私に、彼は怪訝な顔をする。

しまった。不信に思われてしまった。

「あ、いえ、なんでもないです」

私は慌てて手をパタパタと振る。

「ただ、大城さんの私服が珍しかったから」

「ああ、そうか」

彼はブルゾンのポケットに手をいれたまま、身を屈めて自分の服を眺め見た。


「おかしい?」

「いえ。……似合ってます」

「君は……」

今度は私の服をまじまじと見つめながら、彼は言った。


「その服を着てるってことは、俺に襲われても文句ないってことだよね?」
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