黒色女子を個人授業
彼は少し苛々しながらまくしたてた。

「とにかく、簡単にそんなこと言うな。
特にお前は、自分で思ってるよりずっと……」

そこまで言うと、言葉を呑み込んだ。


……ずっと?

ずっと、何?


「なんでもない」

彼は私から逃げるように背中を向けると

「じゃあ、明日」

そう言って、元来た駅の方へと帰っていった。


なによ。

この歯切れの悪い感じ。
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