薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
ふふっと笑みを浮かべたら、納得いかないとばかりに、父があからさまにムッとした顔になる。

「心配性ってなぁ。それで……どれ位、行くのかは決まったのか?」

なぜだか声のトーンを落とされて、どうしたんだろうと思ったけれど、とりあえずいまの段階で決まっていることを言ってみた。


「まだドイツにするのか迷ってるけど。仕事もあるし、一週間ってとこかな」

「そうか。それはずいぶん長いんだなぁ……って、一週間!?」

そこで声を裏返した父に、「うん……」と曖昧に頷く。

「一生に一度とはいえ、やっぱり贅沢かな?」

優生からは、『新婚旅行の行き先は愛に任せる』と言って貰えている。

彼が学生時代を過ごしたドイツを見てみたいって思ったけれど、新婚旅行はふたりで初めて行く場所の方が楽しめるだろうと、行き先を変更しようと思っていた。
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