薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
「これは詫びってわけじゃねぇが……」
ボソッと漏らした父がズボンのポケットから取り出したのは、『健康祈願』と書かれたピンク地のお守りで、それを私の右手に握らせる。
それだけかと思ったのに、色の違うお守りをいくつも手渡された。
「交通安全に、安産祈願、厄除けって……。私、厄年じゃないんだけど?」
安産祈願って、まだ早いし!
しかも優生の前で堂々と手渡されて、ちょっと恥ずかしくなる。
「あぁ? 仕方ねぇだろーが! 俺もいねぇー、大地もいねぇー。ドイツまで行っちまうんだからな」
「あぁ。ドイツに行くから買ってくれたんだ。ちょっと心配性過ぎる気がするけど、ありがとう」