薬指の約束は社内秘でー婚約者と甘い生活ー【番外編】
テーブルに並べられた料理だけではなく、冷蔵庫には食後のデザートまであるっていうのだから。料理がまったく出来なかった優生が、一体どんな魔法を使ったのかって不思議で仕方がない。
ただただ言葉を失い、目の前の光景に目を奪われる。
「見た目はなんとか合格か? だけど、問題は味だからな」
優生は満足そうに零すと、呆然と立ち尽くす私を促して椅子に座らせる。
用意されていたグラスに白ワインを注ぎ終えた優生がテーブルを挟んだ向かいに座ると、そこでようやく一人で料理を作った理由を教えてくれた。
「今日は、俺の誕生日だけど。愛が「葛城 愛」になってくれた日でもあるから、家族になった最初の食事は俺がって思ってて、知り合いに頼んで練習のようなこと……してた」
「そうだったんだ……」
喉の奥に張り付いてしまったように声が掠れる。
思いがけないサプライズと、はじまりの日をそんなにも大切に思ってくれていたことに、胸を強く突かれた。
「始まりの言葉は、愛に譲ってやるけど?」
おどけたように言った彼の顔が霞んで見えるのは、自分の目頭の熱のせいだろう。
優生を好きになって、幸せで泣きそうになるのは、もう何度目かわからない。
でも今日は、嬉し泣きよりも笑顔でいたい――。
ただただ言葉を失い、目の前の光景に目を奪われる。
「見た目はなんとか合格か? だけど、問題は味だからな」
優生は満足そうに零すと、呆然と立ち尽くす私を促して椅子に座らせる。
用意されていたグラスに白ワインを注ぎ終えた優生がテーブルを挟んだ向かいに座ると、そこでようやく一人で料理を作った理由を教えてくれた。
「今日は、俺の誕生日だけど。愛が「葛城 愛」になってくれた日でもあるから、家族になった最初の食事は俺がって思ってて、知り合いに頼んで練習のようなこと……してた」
「そうだったんだ……」
喉の奥に張り付いてしまったように声が掠れる。
思いがけないサプライズと、はじまりの日をそんなにも大切に思ってくれていたことに、胸を強く突かれた。
「始まりの言葉は、愛に譲ってやるけど?」
おどけたように言った彼の顔が霞んで見えるのは、自分の目頭の熱のせいだろう。
優生を好きになって、幸せで泣きそうになるのは、もう何度目かわからない。
でも今日は、嬉し泣きよりも笑顔でいたい――。