青空の下月夜に舞う

ちゅぱ……っ――――響くリップ音が頭を真っ白にさせる。


ゆっくり顔をこちらに向けて、艶めく唇が言葉を放つ。


「感じた、か?」


クスリ。笑う表情が。

私の右手を動かした。



「何すんだーーー!!!」


飛んだ私の右ストレート。
見事響の左頬に直撃。


ゴッ、と。
拳と頬骨が当たる鈍い音が全身に伝わった。


思わず出した大声。
咄嗟に出た右手。


「いってぇ……」


響の言葉に我に返る。

な、殴っちゃった。
ででででも!私悪くないし!!

一瞬で、ヤバイとは感じたけど、感じるの“感”は違った意味だ。



「何で殴るんだよ。つ、かお前……」

「……っ」


響の瞳が私を射抜く。



――――止まらない。




「上がって。今すぐ。出てってよ……」


背中を向けたのは。
殴った拍子に、お湯から上半身が出てたからじゃない。
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