青空の下月夜に舞う
一緒に帰る事実さえ知らなかったし、悪いところなんてないんだけど。


「慶太郎に電話して、バイト先聞いたら焼肉屋とか言うでしょ?行ったけどいねぇし!みたいな!あはは!」


いやいや。私なら笑えないよ?
綺麗にネイルが施されてある手を叩いて笑う。


「慶太郎に文句言ったら祐也くんがパン屋だって。パン屋っつったら駅前じゃん?そしたらまた違うの!で、また電話したら学校から一番近いパン屋でさ~。マジウケた」

「……なんか、すみません」


謝る意味さえ不明だけど、そんなに動いたのに、普通腹の1つも立つでしょうに。
笑い飛ばすこの人が凄い。


「で、マック行って友達と田中の前で喋ってたー。めっちゃ歩いたし!超健康じゃね?」

「……」

「まみちゃん今まで私の周りに居なかったタイプだからウケる。バイト2つしてる高校生って滅多にいなくない?」
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