青空の下月夜に舞う
バスが来て、中に乗ると、それなりに人が居て。

「これじゃまみちゃんとバカ笑い出来ないね」

と話す裸女を見る目が少しずつ変わってきているのが自分でも分かって、不思議な感覚だ。


目的地に着いて、バスを降りると朝の道を逆走する。

マンションが見えて、エレベーターに乗ると、鞄から鏡を出して、身だしなみをチェックし出した。


「まみちゃん、私可愛い?」

「え?えぇ?!」

「ほら、もう着いちゃう!私可愛い?」

「か、可愛いです」

「えー。何その疑問系!ははっ」


だって。
まさか可愛い?なんて聞かれるとは。

“この服可愛い?”とか。
“このバック可愛い?”とか。

物を聞かれたり、言ったりはするけど、


“私可愛い?”


……と。

私の知る限りじゃ、似たようなフレーズで、



口避け女



しか知らない。

なんて。
口が避けても言えないな、こりゃ。
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