神風の如く






──ドサ




そして芹沢の上に重なるように倒れ込む






「わあぁぁぁぁぁ」





救えなかった




知っていたのに、芹沢が死ぬことなど初めからわかっていたのに





「私がっ、私がお梅さんを殺したんだっ」




もっと早く芹沢を止めていれば




もっと早くお梅に相談していれば




もっと早く……………




考えてみればみるほど、後悔が生まれた





「私がいけないんだっ!!」




華蓮は冷静さを失い、声をあげて泣きじゃくる




「蓮っ、おい、しっかりしろ!!
これはお前のせいなんかじゃねぇ!!」




土方が華蓮を支えるが、その声すらも華蓮に届いているかどうかわからないくらい、華蓮は我を失っていた





ヌルッとしたものが手に触れて、思わず自分の手を見る




それは目の前で倒れているお梅の血で





「わあぁぁぁぁぁぁ」




華蓮は叫ぶことしかできなかった








──ドスッ




「土方さん!?」




沖田が動揺するのもおかしくはない




土方は華蓮を一旦気絶させたのだ




「屯所に戻って、落ち着かせる
とりあえず帰るぞ」



土方は気を失った華蓮を抱きかかえ、前川邸を後にした





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