偽フィアンセは次期社長!?
「あそこだぞ………はい、にこにこにこにこ!」


エレベーターホールからすでに見えるラウンジに、どうやら例の二人はいるらしく。


緊張するってば……。


どうして、この人は全く平気なんだろう。


堂々と、ラウンジに続くフロアーを移動していく。



あたしは、結局どうにもならなくて身につけたカシミアのストールに顎を埋める。



そして。


緊張して確認し忘れたけど、ルブタンの靴がびっくりする位ピッタリで。


あたしも、なんだかコツコツといい音を響かせている。


……10センチヒールをもってしても、課長と並ぶとまだまだちんちくりんなあたし。


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