偽フィアンセは次期社長!?
*
「……どうしよう」
あたしは、アパートの部屋の中で途方に暮れていた。
赤いカシミアのストールと、ルブタンの靴。
気がついたら身に付けたまんま、解散しちゃったという痛恨のミス……。
正直、あの後、凄く楽しくて。
美味しいご飯のせいも勿論あるけれど、オオカミ課長は、話も面白いし、意地悪なことも言うけれど優しいし、
時間が過ぎるのがあっという間で……。
何だか、ふわふわしていた。
あんなに、理不尽な脅しをかけてくる課長を嫌だと思っていたのに……変だ。
なんか、あたし、変。
そんな自分に戸惑っているうちに、アパートまで送ってもらい、
上がってお茶でも、とか言うわけ??とかそわそわしているうちに、課長はあっさり帰ってしまって。