偽フィアンセは次期社長!?




「はい、俺のグッジョブに拍手~パチパチパチ」


「……あ、ありがとうございま~す……」


課長の口頭パチパチに合わせて、お礼を言いつつ拍手をしてみるあたし。


今現在、病院の帰り。

行きは、那由子を抱えながら後部座席に乗ったけど、促されて今度は助手席に乗り込んで。


やっと一息ついたというか。


あれから、課長が救急の病院を調べて連れていってくれて。


その間に、と課長に言われて那由子の旦那様の隼人君に連絡をして。


病院で、那由子が妊娠中であることを伝え、慌てて来た隼人君と合流して。

結局どうやら、持病の貧血がいつもより酷い症状で現れたらしく、あと二時間ほど点滴をすれば那由子も家に帰れることになり。


意識の戻った那由子を隼人君に託して、病院を出てきたところで。
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