偽フィアンセは次期社長!?
信じられない……などと思っている暇はなくて。
那由子をお姫様抱っこして、人混みを掻き分けて行く課長の背中を見失わないように必死でついていく。
「来てるか?」
「はいっ」
たまに振り返ってくれるその人は、やっぱりどう見てもあの課長なわけで。
その頼もしい背中を見ていると、まだ病院に着いてもいないのに、『よかった、助かった』とほっとしているあたしがいて。
だけど、だらりと垂れた那由子の細い長い足が見えると、それはそれで不安になって。
……でもやっぱり、課長が来てくれてよかった……ぐるぐると思っているうちに、あの見覚えのある高級車までたどり着き、乗り込むあたし達。
那由子をお姫様抱っこして、人混みを掻き分けて行く課長の背中を見失わないように必死でついていく。
「来てるか?」
「はいっ」
たまに振り返ってくれるその人は、やっぱりどう見てもあの課長なわけで。
その頼もしい背中を見ていると、まだ病院に着いてもいないのに、『よかった、助かった』とほっとしているあたしがいて。
だけど、だらりと垂れた那由子の細い長い足が見えると、それはそれで不安になって。
……でもやっぱり、課長が来てくれてよかった……ぐるぐると思っているうちに、あの見覚えのある高級車までたどり着き、乗り込むあたし達。