偽フィアンセは次期社長!?
制服の乱れを片手で直す。


幸い、ダイレクトな衝撃はほとんどなくて。


ダサい藤色の制服の、ダサい形の、ダサい固めの生地、グッジョブ!!!


……メンタル的には十分なダメージだけど。


レイプも同然だよ。


最悪だ……。


「……あんまりだと、上に報告しますんで」


精一杯の言葉に、鼻で笑ったような空気が被せられて。


「セクハラされました、って?馬鹿じゃねーの、そんなの表に出るわけねーじゃん。ご、う、い、の、う、え、で、し、た!」


……酷い。


これが、本当にあたしが大好きだった人?


「まだ嫁にもいけなくて、欲求不満だろうから、昔のよしみでかまってやっただけなのに、なに勘違いしてんだよ?」


整ってはいるけれど、全く魅力的に映らないその顔を睨み付け、髪の毛の乱れを直しながら印刷室を後にする。


傷ついたような顔を見せたら、負けだ。
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