偽フィアンセは次期社長!?
『え?課長?もしもし?』


……お前はもしもしおばけか。


「……何事だ、一体」



何だか楽しくて、嬉しくて。


思わず突き放すような口調になってしまう駄目な俺。


照れ隠しに、あいつの声を聴きながら見た大きな窓の外には、広がる青い空と、色とりどりの飛行機。



……駄目だ。


声を聴いたくらいで、嬉しくて仕方ないなんて。


声を聴いたくらいで、未来が明るい予感に包まれるなんて。


俺は、あいつに、いつの間にやら……ぞっこんだ。



【完】
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