【短編】雨上がりのキスは傘に隠れて。
「もう、忘れてるわよ、とぉーーーーっくに。」


「嘘つけ。」


「嘘じゃないって、ホントのホント。」


それは本心だった。


正直、吹っ切れるまで時間かかったけど、漸く、良い思い出として思えるようになってきた。


完全に私の中では過去の物となっていた。


なのにーーーー


「じゃあ、なんで赤い傘にこだわるんだよ。」


ぶっきらぼうに和久が言う。


何だか飲みのペースが早くない?


「こだわってって、だってお気に入りだったんだもん。色だって好きだったし。それに結構、高かったんだから。」


「それだけじゃねぇだろ?あいつとの思い出が詰まってるからじゃねぇの?すいませーん、焼酎ロックで。」


えっ、焼酎ロックでって和久、本気で飲む気じゃん。


そりゃ、明日は休みだけど……。





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