【短編】雨上がりのキスは傘に隠れて。
「ねぇ、大丈夫?」


「うっせぇなぁ、これくらいで酔うかよ。」


あれから結構、飲んでボチボチ帰ろうってなった。


「送ってく。」


「良いよ、近いし。それよか和久タクシー拾おうか?大丈夫?」


元々、和久とうちは近所に住んでいたけど和久んちは高校に入る前に引っ越したのだ。


けれど大学に入って通うのに便利だからって和久だけがまたうちの近くで住むことになって……。


「あっ……雪?」


店から出ると冷たいものが頬に当たった。


「ん、雪ってまだ早えぇだろ?」


「うん、でもほら」


ピンと張り詰めたような寒さの中、ふわふわと直ぐに消えそうな雪が降っていた。


「私、折り畳み傘持ってる。」


生粋の雨女である私はいつだって折り畳み傘を持ち歩いてる。


傘を早速出そうとしたらーーー


フワッ









和久が着ていたネイビー色のダッフルを頭からすっぽりと被せられた。


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