蜀宮廷日記
呼ばれた男は一見は小柄で風采はあまりよくない武将であった。


「ち仲達様、おお呼びですか。」


吃音もあるようであった。


「おお、来たか。実は孔明と李厳が不仲との報があった。これを逃さぬ手はない。李厳と未だに親交のある我が臣下孟達らと工作を開始せよ。李厳を出世させ、労せずして、蜀を我が手にするのだ。」

「は、はい。」


「そうじゃ、今度蜀では悠長にも梨狩りとやらを行うようである。何を考えておるのか。ただ武将達も呼ばれておるのが気になる。何かあるのか。調査かたがた銅雀軍でもつれて、暴れてまいれ。」


「は、はい。」


「貴様の智謀とことん見せてもらうぞ。」


「は、はい。」


司馬懿は上機嫌であった・・・。


当日になった。


天気は快晴。


敦姫も真由姫もかいがいしく弁当つくりに精を出していた。


華女官長は、劉禅らの警護などのため朱雀隊を現場に待機させていた。


一方、関興は騎馬隊の演習そっちのけで、悠長に梨狩りかと疑問に思いつつも、


「まっ、いっか。」


と呑気に構えていた。

“梨嫌いじゃないし。まあ、楽しむか。念のため青龍偃月刀だけは持っていくか。”


いよいよ梨狩りになった。
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