太陽の家
(キャバって………もしかして、イモ子って結構マシな方なのかも……)

そんなイモ子を尻目に、キャバはもくもくと食事を続けていた。

美人なのに、髪もボサボサで、服も全身スウェットだった。

「あと、あいつはユキね」

タイヨウはさっきイモ子を笑った少年を指差した。

「ユキ?」

(私と同じ名前…………)

「よろしくな、イモ子」

ユキと名づけられた少年は、雪のように白い肌に、整った顔が印象的だった。

「……よろしく。あ、あと、みなさんにお土産があって」

イモ子は部屋から持ってきた紙袋から、土産物の"ぴよこ"を取り出した。

「あはは~イモ子、気がきくじゃ~ん」

タイヨウはイモ子の背中バンバン叩いた。

それにむせながらも、イモ子は一人ひとりにひよこを配り始めた。

まずは……。


クモ。

「……どうぞ」

「……どーも」

イモ子が遠慮がちにひよこの包みを一つ差し出すと、クモは細長い指ですっと受け取った。
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